起業支援ネット「aile」最新号が出ましたよーーー「メテク」ということ
起業支援ネットさんの会報誌「aile」で
また書かせていただきました。
今回は「起業の学校」5期生特集(?)ということで
起業支援ネットにゆかりの深い素敵なお二人に
取材をさせていただきました。
中尾さゆりさんは税理士として、NPOの様々な意思決定を
服部文さんはがんにかかってからの生き方について
お二人とも「自分(たち)で決める」ということを
サポートしていきたいとおっしゃっていたことが
印象に残っています。
「『自分で決める』ことは、『みんなで決めること』だよ」
と言われたことを思い出しました。
(そういえば成年後見も「自分で決める」をサポートすることですね。)
中尾さんも服部さんも「自分で決める」ことが大切だと
強く感じていらっしゃることの奥には
「自分で決めることができなかった」という経験の口惜しさや
心残りがあるのだと思います。
でも、だからといって「自分で決める」は
他人の言うことを全く聞かず
自分の殻の中だけに籠って自己決定する
という事ではないんだと思います。
自分で自分のことをああでもないこうでもないと案じるばかりでは
玉ねぎをむいていくようなもので
いつか「本当の気持ち」が現れるのではないかと期待しても
何も出てこないんですよね。
むしろ「自分ではない人」といろいろ話してみることで
多面的に自分の考えを検討することができる。
その中で、本当に自分が大切にしていることが分かってくる。
誰かの言いなりになるのでもなく、
ひとりよがりになるのでもなく、
「自分で決める」とは、そういうことだと思うんですね。
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このお二人のお仕事のお話を聞いていて思い出したことは
リオタールの「メテク」というあり方のことでした。
下記のリンクに分かりやすく書いてあるのだけれど
「答え」も「正解」も持っていないけれど
目の前にいる人とともに、進むべき方向を探っていく。
「小さな物語」をナビゲートしていく。
「支援」とか「教育」とか、人の進む道をサポートするような仕事は、
「メテク」であることを求められているのではないかと思います。
メテクとしてのリオタールが永遠の哲学教師としてめざしていたのは、「その場で発見できる正しさを探る」ということだった。すでに近代的な知識人が終焉しているとみなしていたリオタールは、自分が何を語りうるかがわからないままに、つねにその場に臨んで正しい方向を“共に”探ることこそが、新たな「知」の創発を生むのだと考えた。
(松岡正剛「千夜千冊 159夜『こどもたちに語るポストモダン』 https://1000ya.isis.ne.jp/0159.html)
「大きな物語」とは、知識人や科学者や技術者がつくりあげてきた正当化のための物語ともいうべきもので、その社会の大きさに対応している。これに対してリオタールは、各自が断片にすぎないことを自覚して、決して“正当”や“正解”を議論しないですむ物語がありうると言って、これを「小さな物語」とよんだ。
それはスッキリした問題解決ではなく、どこかに不透明なものが含まれるような問題提起であって、一定の場や普遍の場ではなくて「その場」に生まれるものであり、しかも活性化を促す方向性と、スタンダールのいう「スヴェルテス」(軽やかさ)をもっている。そういう「小さな物語」をメテクはナビゲートすべきだというのである。(同)
159夜『こどもたちに語るポストモダン』ジャン=フランソワ・リオタール|松岡正剛の千夜千冊
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- 作者: ジャン=フランソワリオタール,Jean‐Fran〓@7AB7@cois Lyotard,管啓次郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/08
- メディア: 文庫
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そしてきのうのメシ。
6月11日(土)
朝昼兼用
豆腐と葱と卵をいれたおじや、お茶
おやつ
コーヒー、霧の浮舟チョコレート抹茶味
ガム
夜
あじのお刺身、サバのお刺身、さばの塩焼き
天むす、ビール
(御器所の「はるおん家」にて。ここ本当においしいので皆さん昭和区に来たら一緒に行きましょう)
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