学習支援が必要なのは誰か
「学習支援」というと、
家が貧しくて本が買えなかったり
家族で旅行や外食に出かけたり
あるいは習い事や学習塾に行けなかったりという理由で
授業についていけなくなりがちな状況で
育った子どもをサポートすること
と言われており、最近ではこの取組みに
自治体が予算をつけるようにもなっています。
経済的に貧しい状態で育った子にも
勉強して知識をつけ、色々な文化に触れ
進学/就職できるようにすることを通して
貧困の連鎖を止めようという狙いがあります。
でも、本当に貧困の連鎖を止めようと思うなら
「学習支援」が必要なのは
経済的に豊かで、学歴が高い人たちなのではないか。
と、アメリカの大統領選挙の結果を見て思った。
・自分とは全く違う境遇で生きている人
・自分達が当たり前だと思っている価値
(経済的な合理性とか)とは全く違う価値観を持っている人
・がんばっても報われないとはどういうことか
・そもそもがんばるチャンスも方法も持っていないとはどういうことか
・なぜ暴力や犯罪に手を出さざるを得ないのか
などについて
高学歴で心優しく、家や車を持ち
温かい食事と流行の衣類を買うことができ
リベラルで、知的でクリエイティブな仕事をしている人こそ
学ぶべきであり、
こうした人たちがこうしたことを学ぶための「学習支援」を
仕掛けていくことこそ
真に「貧困の連鎖」を止めることになるのではないだろうかと思った。
それは、ただ単に「もっと人権や民主主義について学ばなければいけない」とか
「弱い人の立場について学ぶべき」ということではない。
人権や民主主義に理解があり、自分は弱者の立場も分かっている
と思っている自分自身について「本当にそうか?」と
もう一度問うべきではないかと思うのだ。
「弱者が不満のはけ口を求めてさらにマイノリティを叩く」とは
よく聞く話なんだけど、果たしてそれは本当に「弱者どうしのたたき合い」なのか?
と思う。
ちなみに以前にはこんな記事を書いていました。↓
yoshimi-deluxe.hatenablog.com
リベラルだと思っている政党やそこに投票している人たちも、
「あの人はええ人やで」とか「外国にナメられない毅然とした日本を取り戻すのだ」って言っている人たちを、
田舎ものだとか、個人としての意見がないとか、ネット右翼だとか言って軽蔑するのではなく
そういう発言の奥にある、不安や弱さや、社会の役に立ちたいと思う心に
本当に寄り添えているのか考えないといけないと思った。
自分は、自分の信じる「正義」のために、弱い立場に居ざるを得ない人たちを、ますます立つ瀬がないところに追いやっていたのではないかと不安になった。
自分や誰かの「正しさ」が他の誰かを傷つけているのではないか?
わたしはそういうことを考えて書いていきたい。
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