いろんな問いがせめぎあっているー【市民セクター全国会議2018】オープニング
このブログを読んでいただいた方がきっかけで
11/22、23に開催される「市民セクター全国会議」にお声がけいただいたので
東京に来ています。
準備のために色々本を読んだりしていたのですが
私がこの会にできることとして、Twitterで実況をしては!?と
前日の夜に突如思いつきました。
11/22~23の「市民セクター全国会議 市民社会の広がりと新たな挑戦」を、このアカウントから勝手に実況します。私の出番は11/23だけですが、会にはどっちも参加する予定です。
— yoshimi_deluxe (@yoshimi_deluxe) 2018年11月21日
ハッシュタグ #市民セクター全国会議2018 で発信します。https://t.co/pJSqqVEYWv
私は11/23の分科会14「支援における関係性を考える」に登壇させていただく予定なんですが、前乗りしてオープニングから参加し、出られる分科会などなど全部出てこようと思います。
分科会14というか、全体を通しての意気込みなんですけど、せっかくなので自分しか言えない問いを出すことで、「市民社会」「市民活動」「NPO」「社会課題」といったことを根本から捉えなおしたい。そこから新しい「関係性」を紡いでいく機会にしたいと思っています。#市民セクター全国会議2018
— yoshimi_deluxe (@yoshimi_deluxe) 2018年11月22日
こんな感じで、めったにしない早起きをして新幹線に乗ってやってまいりました。
寝不足と緊張とでテンションが上がっています。
着いたー
— yoshimi_deluxe (@yoshimi_deluxe) 2018年11月22日
すごい都会って感じのドラマに出てくるみたいな建物なんだけどー#市民セクター全国会議2018#語彙 pic.twitter.com/t9GxTMZ1gk
それで、よっしゃやったるでー!私のキーボード&iPhoneが火を噴くぜー!と、実況のために会場の最前列のセンターを確保したところ、
なんと実況が禁止だった #市民セクター全国会議2018 pic.twitter.com/qcGfkZikAA
— yoshimi_deluxe (@yoshimi_deluxe) 2018年11月22日
まさかの実況禁止!!!
えー、なんでー、それって市民社会的にどうなのよ、広がるよ?と思ったんだけど、有料のイベント(【両日参加】10,000円 (日本NPOセンター正会員 8,000円)【1日参加】 8,000円(日本NPOセンター正会員 7,000円))だしなあ、と。今までも無料のイベント以外は実況しないようにしてきたんだけど、でも実況ってどんなに上手にやっても会場に来て聞くのと比べたら1%くらいしか伝わらないからいいのでは?と、緊張と寝不足とで軽躁ぎみになっているせいで無駄にイラっとしました。
しかし編集は不足から生まれるといいますので、これを機に実況ではできない方法で会場の様子をお伝えしようと思い、ブログにまとめてみることにしました。
「問い」を共有するというチャレンジ
市民セクター全国会議では2日間の分科会の前に全体セッションというか、オープニングイベントがありました。この会全体のねらいとか、それぞれの分科会の位置づけについて主催者であるNPOセンターの方から説明がありました。
過去に開催された全国会議では、オープニングでは基調講演みたいな感じでゲストを呼んで話してもらっていたそうなんです。が、今回は「参加者みんなで問いを出し合って共有し、対話していこう」というコンセプトだそう。
それで、今回は sli.do というツールを使って参加者の皆さんから問いを出してもらうということに。
sli.do ってイベントではよく使われるんですかね?私は初めて知りました。
(参考)
イベント運営に便利なsli.do の使いこなしかた – Shunya Ueta – Medium
(写真は加工しています)
スマホとかからsli.doのサイトにアクセスして質問を投稿するというものです。最初「これだったらTwitterでハッシュタグ使ってやればいいのでは?」と思ったんですが、Twitterアカウントを持っていない人でもできるし、会場にいる人に限定してできるのでそれはそれでいいのかな?と。
とはいえ、やはり使い慣れていない人も多い上、大量の投稿が集まるのに検索やカテゴリ分けができなかったり、感想や使い方に関する質問、会場付近の美味しいランチ情報も投稿されるなどカオスな雰囲気に。カオス自体は悪いことではないし、それが可視化されるのも面白いと思ったんですが、これをもとに議論しようとするときついものがありました。
たくさんの「いいね!」がついた投稿をした人の名前が分かれば会場であてて、その人にその問いを出した思いや補足なんかをしゃべってもらうんですが、スライドに投影している最中にも新しい投稿が入ると画面が更新されてしまったりして大変そうでした。
また、100人くらいいる会場でのディスカッションって難しいなと思いました。進行役の人が手を上げた人やsli.doに書き込みをした人を当てながら話していく、という方法なんですが
100人もいると言葉の定義もいちいち確認できないし、色んな立場の人がいるし、せっかくみんながいろんなことを言ったり思ったりしているのに、深めるよりも流れていってしまうような感じがしました。オープニングなので深めなくてもいろいろな問いが出ることが大事だし、たくさんの人が集まるカンファレンスではこうなりがちなんだと思うので全国会議だけに限ったことではないと思うんですが。
でも、せっかくの機会なので「NPOは行政の下請けになってはいけないですよね」「異なる立場の人の間での対話が大事ですよね」という、いつも聞いている話ではない話を聞きたいなあ、という期待もあったのでちょっと物足りなく感じました。「答え」でなく「問い」を出すというのはナイスアプローチだと思ったので、ある程度の人数でもそれを実現できる仕組みや場をつくるアイデアが足りていないんだなと感じました。
今インターネットの時代になって、メーリングリストだったり、電子会議室だったりするものが、そういうことを技術的にはサポートしているんですけど、理念的にそういうことを誰もサポートしていないもんだから、そこが単なる相手をやっつける場になったりとか、いろんなことが起きるだろうと思うんです。だからまさにそういうことは文化とか作法とかで保障されていかないといけない。でないと技術が単なる技術で終わっちゃうんだろうという気がします。(加藤哲夫「市民の日本語」2002年,ひつじ書房)
市民セクターというのは、小さな声や参加型の議論を尊重してきた、と私は思っています。今ではときに陳腐で退屈なもの、となってしまったワークショップとか、参加型の議論を可能にしてきたテクノロジーを分析したり批評したりしながらアップデートして、色んな場(リアルでもインターネットでも)で使えるようにしていくこと。それこそが「市民社会」を豊かにしていくことではないか、と思いました。
市民の日本語―NPOの可能性とコミュニケーション (ひつじ市民新書)
- 作者: 加藤哲夫
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- 発売日: 2002/09
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