A Tribe called 個族―――LINEとドローンとわたし
災害の時とか、首相官邸とか国がやってるtwitterが
情報収集に役立つかな~と思ってフォローしてて
そのうち首相官邸のLINEのアカウントができたと聞いて
それもフォローしてみたんですよ。
そしたらこれがですね、わたしのスマホにダイレクトに
って、話しかけてくるんですよ!!!
総理大臣が、直接、わたしに、LINEで話しかけてくるんですよ!!!
こわい!!!
世界遺産もなでしこもニュース見て知ってるから別に首相官邸から教えてもらわなくてもいいんだけどな~
安倍晋三だからこわいとか、ここんとこずーっと更新されてなかったのに
なぜか今月になって立て続けに2本メッセージが来たりして何で?と
思ってこわいとかもあるんですけど、
自分個人に、ダイレクトに総理大臣が話しかけてくるっていうことが
なんだかめっちゃこわい。
国や世界とダイレクトにつながる
まだ何か月も経ってないのに、なぜかもう忘れ去られてしまったかのような事件で
首相官邸の屋根にドローンが突っ込んでたっていうニュースがありましたよね。
覚えてます?
ドローンっていうか、まあラジコンヘリじゃないですか。
それで、直接、首相官邸にアタックしようという発想が
なんかすごいなって、ニュース見たとき思ったんです。
その人個人と、首相官邸、「国」が、ダイレクトにつながっているんだなって。
首相官邸がわたしのiPhoneに直接メッセージしてくるみたいに、
自分から直接、「国」にメッセージしたい人がいるんだなあって
感じたんですよね。
で、これまたずいぶん前なんですけど
1月に東海市で、山崎亮さんのワークショップに参加したことがあるんですよ。
その中で、昔は「個人」のまわりに家族とか地域社会っていう集団があって
その外側に「国」とか「世界」っていうのがあったよね。
でも、今は家族とか地域社会って言うつながりが
そんなに強固なものじゃなくなっちゃったのと同時に、
主に「インターネット」っていうテクノロジーが急速に発展したことも手伝って
「個人」と「世界」がダイレクトにつながるようになっちゃったよねっていう
話があったことを思い出した。
例えば昔は、国会でこんなことがありましたとか
首相やら偉い人やらがこんなことを言いましたっていうことが
テレビのニュースで流れたとしても、
一緒に見てるお父さんとか居酒屋にいる人とか、
学校の先生とか近所の寄合とかで
「んなこたあねーだろー」とか
「ビンボー人にはカンケーねえなあ~」とか
「景気よくなっても俺は儲かんねえよ~」とか
そういうワンクッションがあって、「あっ、そうなのかな?」みたいに
考えるときの方が多くあったと思うんですよ。
でも、今ってスマホのニュースで見たら
完全に 「自分 対 国会」 とか 「自分 対 ニュース」って感じになるし
考えてる間にもどんどんどんどんタイムラインにいろんな意見やら
ニュースやらデマやらちょっと泣けるイイ話やら
最近の若者は空気読めないやらスキルが無いやらっていう話が流れてきて
流されるか即断即決するかしないと追いつけないような感じがする。
そんな流れとか、大きな(はずの)世界や国家に対して
丸腰の自分がひとりで立ち向かっているような気になる。
「就職活動」なんてまさにそんな感じするもんな~
って、ちょっと話がずれたけど、ここまでのことは
山崎さん以外の人もよくされる話だと思うんですよ。
でも、山崎さんの講演で特に印象に残ったのはここからで。
では、家族とか地域とかっていうこれまで個人を守っていた
共同体が弱くなった後で、
世界に個人が丸腰で立ち向かわなくても済む術ってなんだろう?っていう話なんですよ。
そこで山崎さんが言ってたのが「個族」っていう考え方で。
「友達以上、家族未満」の関係
昔は家族(血縁)や地域社会(地縁)が個人を包んでいてくれたから
世界と直接対決しなくてもよかったんだけど
じゃあ、また血縁とか地縁を復活させよう!!!っていうのにも
あまり現実味を感じない方も多いんじゃないでしょうか。
てゆうか、わたし個人としては、血縁や地縁を窮屈な檻のように感じて
耐えられず家や故郷を出て、地下鉄のある政令指定都市にひとり住んでいるわけで。
首相官邸からダイレクトに迫られるのもおそろしいけれど
かといって血縁や地縁の網に入り込むのもまっぴら…という人は
どうしたらいいというんでしょうか。(笑)
山崎さんは「個族」という概念を説明していたんだけど
職場なり恋人なり趣味のサークルなり何かのチームなり
自分が「居て楽しい」と思えるさまざまな集団=「個人」の集まり=個族 を
たくさん持つことなんじゃないかっていう話をされまして
それにすごく感じ入ったんですよね~。
自分の意志で出入り自由で、
がっつりでも軽くでも関わり方も自分で決められて、
かつ、お互いを思いやりサポートしあえるような
「友達以上、家族未満」のつながりを作っていくことができないか。
山崎さんのこの話を聞いたとき
わー、都会の人の考え方だなあ~って
一緒にワークショップに出た人とも話したんだけど。
でも、これこそが都会に住んでいることのメリットのような気がする。
正直、やっぱり田舎に住んでいたら
あたたかいことも煩わしいことも含めて
地縁からは逃れられないと思うんですよ
だから、それは田舎の、「海の幸」「山の幸」「川の幸」とは違う資源だと思うんです。
都会にいると、そんな貨幣経済しか成り立たないようなライフスタイルは
サスティナブルじゃないよ~と、はやい人たち、意識高い人たち、
ニュー・プロフィットな人たちからは言われているようで
全くその通りなので、ぐうの音も出ないのですが。
「人の幸」「情報の幸」「アーティフィシャル(人工的)なものの幸」
「何の役にも立たないものの幸」
「どうでもいいものの幸」「刹那的な欲望の幸」
「くだらないものの幸」「怠けものの幸」
というものが、都会にはあると思うので
それが「幸」なのか不幸なのか、
書いてたらよくわかんなくなってきたんだけど
都会には都会なりのやり方で、コミュニティをつくり、生活をつくり、
個人を守って、エンパワーしていく生き方ができるんじゃないかと
わたしは信じている。
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