「お前はもう死んでいる」の、その先
金曜の夕方に取材に行って、土日は2日間ぶっ続けで編集学校のオンライントレーニングキャンプ、月曜火曜はこれまた2日間続けて東京で研修。しかも、英語、、、。
好きでやっていることなんだけど、できてなくてやらなきゃいけないこともたまっているし、期限までにやらなきゃいけないと思うとまた寝る時間ないし、うわー死にそうと思う。
一回死んでみる
うわーもうダメ限界、どうしよう死ぬ、
と思うと焦ったり、混乱して余計にタスクを増やしがちなタイプなんですよね。
でも、今回、ふと思ったのは、
「一回、死んでみたらいいんじゃね?」
ということだった。
死ぬ、といっても心肺停止の状態になるということではなく、
限界までやってみて、
今までの自分、
今までの自分の「やり方」を
死なせる、というか。
限界までやって自分がバラバラになってしまっても、次に立ち上がる時には、
バラバラになった破片自体は前の自分と同じものなのに、組み上がり方が以前とは違うというか。
死んだり生き返ったりを繰り返すことで、自分がアップデートされていくような。
薔薇やフェニックスが、灰の中から立ち上がるという美しいお話があるけれど、
灰になるには何かを燃やし切らないといけないんだよなぁ。
俺は俺の死を死にたい
でもさー、自分が死ぬかどうかは自分で決めたいんだよね。
こういうことって、いかにもブラック企業の人が言いそうじゃないですか。
死ぬくらいまでやってこそ仕事の何たるかが分かるんだと。
一人前になりたかったら限界を超えてからが勝負だ、とか。
でも、それは他人(従業員)に言っちゃダメだと思うんですよ。
自分をアップデートしたいかどうか、自分を乗り越えたいかどうかを決めるのも自分だし、その方法を選ぶのも自分であるべきであって。
命令しちゃいけないと思うんですよ。
洗脳と教育の違い
ただ、ブラック企業が巧妙なのって、命令してやらせているのにも関わらず、従業員本人には
「自分で決めたことだ」
「強制されているのではなく、自分の意思だ」
と、思わせるのが上手いことなんですよね。
自分のことは自分で決めている、
これは自分で選んだことだから自分の責任だ、とわたしたちは思いがちなんだけど、
けっこう自分の選択って、他の人に言われたこととか、「常識」とされていることや、自分が「常識」と思いこんでいることに左右されまくりだよなぁと思うんですよ。
なので、ふと立ち止まって「これって本当に自分の意思かな?」って自分で自分に突っ込みを入れる、メタメタしい視点を持ってないといけないんだよなぁ、と思います。
こういう自分突っ込みをし過ぎて自分が生き苦しくなることを「こじらせる」っていうと思うのです。が、「こじらせ」もこうして「自分以外の意思からの強制」のチェック機能だと思えば役に立つもんだな、と。
そしてこのこじらせ力こそ実は「知性」と呼ばれるものなのではないかと思うのです。
自分が考えていることは何なのか?
自分がやってることに意味はあるのか?
自分はなぜここに存在しているのか?
という問いは、文学や哲学や生物学や物理学や何やらかんやらという学問がすでに研究しまくっているもので、それらから得られる情報は単なる専門分野の知識というよりは、自分を守るための力、自分で自分の意思や欲望をハンドリングしていくための力になるものだと思うのです。
「成長するために一回死んでみる」
ということが、確からしいことだとして、
Aさん(会社の上司とか学校の先生とか親としましょう)が、
Bさん(新入社員とか学生とか子どもとしましょう)に、その確からしいことを伝えようとして、
Aさんの思うような方法で、Aさんの思うようなタイミングで、Aさんが正しいと思うような姿でBさんを一回死なそうとする行為は、
それは教育ではなく、洗脳ではないでしょうか。
教育とは、Bさんの持っている、Bさん自身が成長したいという気持ちを認め、
Bさんに合ったBさんの成長の方法を、Bさん自身が自分で見つけていけるように助けることではないかしら。
Bさんが見つけた方法が、
たまたまAさんと同じ方法になることがあったとして、
Aさんは、それが自分の援助によってBさん自身が獲得した方法なのか?
洗脳によるものではないか?
と、ふりかえることが大事なんじゃないかなーと思いました。
わたしによって誰かが変わった、救われたということには、しびれるような快感がある。
だからこそ、自分が他人を思うように動かしたり、洗脳したりすることに耽溺しないように、自分を律しないといけない。
知性こそ力だと思う。
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