分かり合えない本から
- 作者: 丸山真男
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1961/11/20
- メディア: 新書
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新書だと思って油断してたら
全然分からなくて泣けてきました。
こんなに読み進められない新書があるとは…
でも昔の人はこれくらい全然読んでたんだよね。
(といっても書かれたのは1960年ごろ…)
が!
1章、2章は難関なんだけど
(特に2章がきつかった)
3章以降が、1~2章のサマリーのようになっており
なんだよ!ここから読めばよかったのかよ!と
一瞬思うんだけど、よく考えると1・2を頑張って読んだから
3からが分かりやすいのかも、とも。
書籍の編集の妙を感じる一冊だった。
「分からないなりに読み進める」ということが
読書には大事なんだなあ、と。
この本のように、後半になってやっとつかめてくることもあるし
読み切っても全くわからないこともあるけれど
きっとその読書体験は無駄なものではなくて、
「分からないこと」として、いったん自分の中に
蓄積されることが大事なんだなと思う。
この本のキーワードの1つに「タコ壺化」というのがあったんだけど
わからないことをただ単に拒否するのでも、
無理やりに自分の「わかる」範囲にこじつけて理解しようとするのでもなく
なんていうんだろー、英語を日本語に訳してわかろうとするんじゃなく
英語を英語のままに分かろうとするような感じで
受け取っていくことが、大人の考え方って感じがするな~
と思いました。
ちなみに今をときめくSEALDsが選んだオススメ図書にも
丸山真男が入っているそうで
なるほどと思いました。
学生時代に末弘(厳太郎)先生から民法の講義をきいたとき「時効」という制度について次のように説明されたのを覚えています。金を借りて催促されないのをいいことにして、ネコババをきめこむ不心得者がトクをして、気の弱い善人の貸し手が結局損をするという結果になるのはずいぶん不人情な話のように思われるけれども、この規定には、権利の上に長くねむっている者は民法の保護に値しないという趣旨も含まれている、というお話だったのです。(中略)請求する行為によって時効を中断しない限り、たんに自分は債権者であるという位置に安住していると、ついには債権を喪失するというロジックのなかには、一民法の法理にとどまらないきわめて重大な意味がひそんでいるように思われます。
たとえば、日本国憲法の第十二条を開いてみましょう。そこには「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない」と記されてあります。この規定は基本的人権が「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」であるという憲法第九十七条の宣言と対応しておりまして(中略)そこにさきほどの「時効」について見たものと、いちじるしく共通する精神を読みとることは、それほど無理でも困難でもないでしょう。つまり(中略)「国民はいまや主権者となった、しかし主権者であることに安住して、その権利の行使を怠っていると、ある朝目ざめてみると、もはや主権者ではなくなっているといった事態が起るぞ」という警告になっているわけなのです。
(丸山真男「日本の思想」岩波新書)
いいかえれば日々自由になろうとすることによって、はじめて自由でありうるということなのです。(同)
4月20日(水)
朝昼兼用
アボガドとエビのホットサンド、人参のサラダ、紅茶
夜
スモークサーモン、鴨肉(たぶん)、生ハムとサニーレタスのシーザーサラダ、かんぱち(たぶん)のカルパッチョ、チーズ、ウインナ、ビール(外でちょっと飲んできた)
おやつ
ココナッツチョコレートのドーナツ、コーヒー、紅茶、ダイエットコーク
- 作者: 高橋源一郎,SEALDs
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/09/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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