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場を見る視点---人と問題を分ける

「オープン・スペース・テクノロジー」(以下OST)という話し合いの手法やマインドを学ぶ研修に行ってきました。

オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~

オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~

OSTは、5人から1000人でもできる「全員参加」の話し合いの場であり、
トップダウンでも単純な多数決でもなく、新しい取り組みやマインドを産み出す手法とのこと。。。
AT&TP&G、イケア、IBM、世界銀行、NTT、日産自動車リクルートノバルティスファーマ など
おっきい会社でも取り入れられているようです。
へー。

32歳くらいの時に初めて草の根ささえあいプロジェクト(当時はこの名前じゃなかったけど)のミーティングに出て、初めて「ワークショップ」という話し合いのやり方や、「ファシリテーター」「ファシリテーション」というものの存在を知りました。
今まで会社でやっていたような会議や話し合いは、何も決まらないか、決まってもイヤな気持ちになるか、話したいだけ話しても何も生み出さないような気になったり、「ちゃんと決めたじゃん!」と思ってもその後全然何も変わらなかったり、実現されなかったりということばかりで、なんでそうなるんだろう?と思うのを通り越して、世の中というものはそういうもんなんだと思っていました。

でも、草の根で行われている話しあいの仕方をみたら、そういうのじゃなかったのでビックリしたんですよね。
ふせんをつかったり、模造紙に誰かが話したことをどんどん書いていくだけで
こんなに話し合いの質が変わるもんなのかと。


で、ただその話し合いはふせんや模造紙があればいいわけじゃなくて
その会議のお部屋をどのようにセッティングするかとか
どのように参加者どうしが意見を出しやすい関係性を築けるような仕掛けをするかとか
周到な準備と、練られた進行の方法があってのことなんですよね。
わたしは、そういうのがファシリテーション/ファシリテーターの役割なのかなと思ったのと、
ファシリテーション」や「OST」の「手法」というよりは

・誰も置いて行かない
・発言しない人も、何も意見がないわけではない
・1人の天才が決めるよりも、100人のふつうの人が話し合ったほうがいいアイデアが出る

みたいなマインド、「世界の見かた」みたいなことがいいなあと思っていたんですよ。

今回の研修は、なんと一泊二日の合宿研修…(OSTもがっつりやるときは合宿型だそうです)
いろんなことを体験しながら勉強したけど、1日目は下記の「ファシリテーターが話し合いの“場”を見る視点」というのが一番心に残った。

・フィードバック:声や姿勢、雰囲気などに見られる反応の強さ

・脈:強いフィードバック

・エッジ:プロセスを阻害するもの

・ロール:場に立ち現れる役割
home's vi 嘉村賢州さんの研修資料より)


研修で、「話し合いをするチーム」と、「その話し合いを外から見守るチーム」の2グループに分かれるワークをした。わたしは「見守るチーム」になったんだけど、話し合いがスムーズに進んでいるように見える時は、あまり参加者の『フィードバック』が感じられなくて、むしろ進行があらぬ方向に向かいそうなんじゃないかとか、議論が逆戻りしてしまうような質問や発言があった時のほうが、爆笑とか、「えっ?それってどういうこと?」って皆が身を乗りだすとかっていう『強い脈』が沸き起こっていたことが心に残った。

話し合いをするとき、速く結論にたどり着きたくて先を急いでしまうけど、スムーズに進行しているように見えて誰も聞いてなかったり、共感してなかったりすることの方が多いんじゃないかと思った。
「今からその話かよ!」と思いつつも、皆が心を動かしながらする話し合いのほうが、どんな結果であれ皆がその結果にコミットしやすいから、その後のアクションにきちんとつながるんじゃないかと思った。

何よりこの「視点」をもって“場”を見ると、話し合いが上手くいかないのが「参加者」のせいではないことがよく分かる。
話し合いをしていると、あの人空気を読まずにえんえん自論を話し続けてるな~~~とか
逆に、あの人ずっと寝てるな~~~~ということがあると思うんだけど

  • 何が「エッジ」になって、その人が他の人の意見を聞くことができていないのか?
  • 何が「エッジ」になって、自由に意見を出しづらくなっているのか?
  • 話し合いにどんな「ロール」が足りないのか?


みたいな視点で考えると、それは参加者個人の問題でなく、話し合いの準備や話し合いに至るプロセスの問題であることがわかる。例えば『あと20分しか会議の時間がない(から、余計なことを言えない雰囲気になっている)』ということがエッジになっていたり、『話し合いの「司会者」という「ロール」がないことが「エッジ」になっている』ということが分かったりする。

問題が「人」にあると考えると「問題」のある人はどんどん対話の場から排除されてしまう。「あいつは空気読めないから呼ばないでおこう」みたいな。だけど本当は「場」に同調しないカルチャーを持っている人と話し合わなければイノベーションは起こらないはずだし、そうやってどんどん排除していったらいつも同じメンバーしか残らないし、メンバーじゃない人と一緒に仕事をしていかなければならない場ではそんなこと言ってられないはずだと思う。

「人と問題を分ける」とか「多様性を大事にする」ってよく言うけど、その「理念」を具体的に実現するための方法、「ツール」をひとつ教わったような気がした。

つづく

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1月24日(土)


紅茶


肉まん、たまごとツナのサンドイッチ、お茶


おでん(ピンクの練り物、牛すじ、大根、こんにゃく、ちくわ、たまご)、串カツ、味噌汁、サーモンのお刺身、ごはん、ビール

おやつ
コーヒー、チョコレート、みかん味のポテトチップスなどいろいろ

オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~

オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~