私が社会福祉士になれたのはクラブに行ってたから
2020年4月17日
様々な理由で名古屋のクラブも(名古屋以外もだけど)休業を余儀なくされて、クラファンやってない店のほうが珍しいくらい、どこもクラウドファンディングサイトで寄付を募っている。
ちなみに休業中でもネットで配信をしている名古屋周辺のDJの情報まとめはこちら
note.com
このClubbers Guide Nagoya(twitterは@ClubbersNagoya)はハーシーちゃんという、名古屋をはじめ全国のクラブで遊びまくっているいちファンで(たまにDJもしているらしいけど)、DJやライブをやるいわゆる演者でもなく、クラブの経営者やスタッフでもなく、ほんとクラブが好きな客の一人という人が、コミュニティのことを考えてできることをすぐやる、ちゃんとやる、誰かに言われなくてもやる、自分ひとりでもやる。そういうところがクラブカルチャーの良心を体現しているとしか言えなくて、私は彼女をめちゃくちゃ尊敬している。
「金を払って楽しませてもらう側と、金をもらって楽しませる側」ではなくて、クラブって客もDJもお店の人もみんながその場を良くしようと思って楽しまないと、楽しくならない遊び場なのだ。それでいて、一人ひとりが自分なりの楽しみを見つけて楽しみ出すと、なぜかその楽しみがたまたま居合わせただけの他の人にも伝染して、結果としてその場全体がいい雰囲気になる、というミラクルが起こる場所でもあるのだ。
なのでクラブで払うお金は、利用料や酒代というよりもお寺のお布施みたいなものだと思って私は払ってきた。ディスカウントされると申し訳なかった。その場を維持するために必要な人が寄進しているようなものだと思うので。
しかし同時に、クラファンだけで本当にいいのかというモヤモヤも感じる。いつまでこの状況が続くか分からないのに、クラファンだけでどれだけ支えられるんだろう。それなりの金額を集めているクラブもあるけれど、小箱や若い人が中心に支えているクラブは、どんなに頑張っても厳しい面もあると思う。私は私が行ったことのないチャラ箱や小箱も含めてどのクラブも生き残ってほしい。だから破産してでも応援したいけど、いかんせんもともと財布が薄すぎるのである。
ここ↓でSaveOurSpaceが言っている通り『「持たざる者」が「持たざる者」を助ける状況』になっていると思う。それはお互いぎりぎりでもなんとか支えたいという純粋な思いの集合体だけれども、その切実さに図々しく乗っかって、絆だ連帯だ民間の力だという飴でくるんで美談に仕立て上げて、何かを覆い隠そうとしようとする動きから目をそらしてはいけないと思う。国や地方自治体による十分な休業補償を堂々と求めることと、私たちが自助努力でできることをすることはどちらも大事だと思う。
note.com
話は変わって、高円寺のEADレコードのヨウゾウさんのインタビュー記事を読みました。
音楽文化の底上げを図る高円寺のレコード店、「EAD RECORD」(DONUTS MAGAZINE )
https://donutsmagazine.com/store/shirahase-tatsuya-21/
「レコードだけが売れてもダメなんです。全部が繋がらないとコレクターの世界で完結してしまう。(略)結局みんなが潤わないとシーンが活性化していかないですから。」
これはヨウゾウさんがほんとに話したことだと思うけど、これをどこでどれくらい取り上げるかはライターや編集者の思いによるところが多いと思う。記事を書いた白波瀬さんは釜ヶ崎で厳しい生活を強いられた人と関わる活動や研究をしてきた人でもある。その経験が、シーンに対するまなざしにも表れているのではないかと感じた。
追伸:
長野県飯田市のクラブ「After5ive」も寄付を募っています。小さな町で、店長のみいなちゃんを筆頭にすごく頑張っているお店です。私も飯田にいたらAfter5iveがあることが希望だったと思います。(名古屋に住んでいても希望です)音響にもこだわったすごくいいクラブです。行ったことがない人もぜひ再開したら行ってほしいので応援してください。
camp-fire.jp