#レコーディングダイエット

毎日食べたものを書きます

エゴを持たないタイプのアーティストーーー2017年は「よく読む」ライターに

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

2016年は3月に大学職員を辞して
その後はずっとやりたいと思っていたライターの仕事を
本格的に始めました。
特に何のあてもなく「ライターをやるっ」と言って
始めた商売ではありますが
色々な方からお声をかけていただき、
奇跡的にこれまで死なずに生き続けることができました。

2016年の主なお仕事まとめ

「何の媒体に書いているの?」と聞かれることが多いのですが
わたしはライターなんだけど雑誌とかにはほとんど書いてないので
2016年はこんなお仕事をさせていただきました というのを
まとめてみました。


- 八事の杉浦医院の訪問診療のお手伝い
 森先生、いつも本当にありがとうございます。
 先生の書籍の出版に際しては出版社さんとの打合せに
 同席させていただいたりと、勉強になることばかりでした。
 こうして自分をフックアップしてくれる人に恵まれ幸せです。

 訪問診療では色々な方のお宅をおうかがいして
 生きることや死ぬこと、お金に余裕がある人とそうでもない人、
 病床にあるご本人とその家族、
 医療と福祉の関係について
 新しい発見と思索を巡らす機会をいただきました。

 2017年はこのあたりのことをもっと書いていけたらと思います。

長寿大国日本と「下流老人」

長寿大国日本と「下流老人」

- 地域福祉サポートちたさん 豊田市の生活支援コーディネーター研修のお手伝い
 大学職員時代からお世話になっているサポちたさんの
 豊田市の生活支援コーディネーター研修のお手伝いをさせていただいています。
 パワフルな豊田市下和会地区の皆さん、
 まじめで優しい地域包括支援センターの皆さん、
 聡明であたたかい豊田市役所の皆さんによる
 新しい地域社会の仕組みとネットワークを作る試行錯誤に
 ご一緒させていただきました。

 年始はこの報告書を作る仕事があります。地道な取組みの価値が
 伝わるレポートができるといいなと思っています。


- 起業支援ネット「aile」編集長
 2016年もたくさんの起業家の皆さんのお話を聞かせていただきました。
 2017年もますます、すなおに、しなやかに、あたたかく、
 世の中に中指を立ててゆきたいです。
yoshimi-deluxe.hatenablog.com
yoshimi-deluxe.hatenablog.com


- CSRコミュニティ事務局
 社会のためにわざわざ何か良いコトをするのではなく
 企業の本業、事業活動を通じて社会を良くしていこうとする
 熱い志ある社長さんたちから、事業主として「こうありたいな」と
 思える姿を学ばせていただいております。
 おもに色々な企業のCSR/CSV的な活動の取材をさせていただいています。
 現在、会員さんと取材先を大募集しております。
www.csr-com.jp


- 日本福祉大学のホームページ
 日本福祉大学さんの卒業生インタビューなどをさせていただきました。
 元職場からお声がけいただけることは本当にありがたいです。
www.n-fukushi.ac.jp

- ぴあ「食本」シリーズ など
 名古屋のジャーナリスト・カメラマン・ライターさんの集まり
 「なごやメディア研究会」を通じて知り合った方にご紹介いただき
色々なお店にうかがいました。アポ取り、納期管理、誌面全体を考えた執筆など
 これまたライター一年生には勉強になりまくりでありがたいお仕事でした。
 2017年はなメ研でお近づきになった皆さんとクラブに行きたいです。(笑)


- 名古屋のハイパーローカル・インディペンデントWEBマガジン『Liverary』
 こちらでもたまに書かせていただいております。
 やっとかめ文化祭の面影座レポートは、作座人の番器さんにも誉めていただいて
 すっごいすっごいうれしかったです。生きててよかった。
liverary-mag.com

これ以外にも、ある建設会社さんのWEBのお仕事、
北陸の学習塾、ゼロ会さんのブログなど
いろいろなところに書かせていただきました。
ありがとうございました!

2017年は『よく読む』ライターに

こうしてふりかえってみると、意外に働いていたなと思うのですが
旧年中はずっと「もっと書かなければいけない」
「書く量が少なすぎる」と焦ってばかりでした。

同時に、いろんなところに取材に行くと
事業を立ち上げたり、専門性をもって何かにがっつり
取り組んでいる人と自分を比べては
自らの無力さに肩を落としたり
進むべき方向が見えずに不安になってばかりの一年でもありました。

でも、年末に(2016年に亡くなった)
David Mancusoのインタビューを読んだり
編集学校の物語講座を受講してみたら
自分に足りないのは「書く力」じゃなくて
「読む力」ではないかな?と感じたので
2017年はもっとたくさん、もっと丁寧に『読む』ことをしていきたいと思いました。

www.redbullmusicacademy.jp
www.redbullmusicacademy.jp

DJはレコードをミックスして流れを生み出そうとするが、私の場合は、とにかくレコードの内容、最初から最後までの内容を台無しにしないようにしていた。レコードの途中で次のレコードへミックスしていた時代もあったが、ある日「私はいったい何をしているんだ?」と思ったんだ。家の壁に勝手に絵を描いてしまうようなものさ。色は変えるべきではない。意図はそのまま残すべきだ。音楽をそのまま成立させなければならない。RED BULL MUSIC ACADEMY「ロングインタビュー: DAVID MANCUSO PART 1」
http://www.redbullmusicacademy.jp/jp/magazine/interview-david-mancuso-part-1

Davidのインタビューを読んでいると
彼自身がどんなレコードをかけるか、かけたいか
ということではなく
音楽のために、どんな環境を用意したらよいか
ということのためだけに邁進しているように感じられる。
そのために、サウンドシステムを整え
パーティの会場を整え、ケータリングを用意し、
プライベートパーティを続けるための法整備にも積極的に関わった。
まるで自分を捨てて音楽に殉じているようだ。

けれども、かれが音楽のためにと活動すればするほど
David Mancusoという彼自身のキャラクターが色濃く反映され
彼無しではありえない、オリジナルの芸術としての
DJ、パーティのスタイルが確立されていったようなのだ。

DJは、作詞も作曲も、楽器の演奏もせず
ただ、すでにあるレコードをかけるだけの存在だ。
けれども、誰よりも音楽をよく聞き
パーティに来ている人たちのことをよく見て
その時にいちばんかけるべき曲をかけていく。
それは編集であり、批評であり、ファシリテーションであり、
レコードと音楽と、それに関わる人を讃える芸術に他ならないと思う。

わたしも取材する人・もの・ことを
よく見て、よく聞いて、良く調べて
つまり「よく読んで」
読むことで自然と立ち上がってくる世界の物語を
言葉で再生していくような仕事をしていきたい。

DJは、パフォーマンスとリスナーの間に立つという新しいフォーマットを生み出したんだ。(同)

DJはアーティストだ。エゴを持たないタイプのね。DJがエゴを出してしまえば、アーティストにはなれないし、音楽のための存在ではなくなってしまう。そうなれば、いずれ存在を忘れられてしまうだろう。私はDJには第3の耳があると思っているし、全体を捉える能力が備わっていると思っている。大きな絵を描いているようなものだ。(同)

David Mancuso Pres. the Loft

David Mancuso Pres. the Loft

David Mancuso Presents The Loft 2 by David Mancuso

David Mancuso Presents The Loft 2 by David Mancuso

インタースコア: 共読する方法の学校

インタースコア: 共読する方法の学校

物語編集力

物語編集力

キスはゲロの味、だけれども---Ryugo Ishidaは「弱さ」をラップする

2016年の日本のヒップホップ界のブライテスト・ホープ
Ryugo Ishidaが大好きで
毎日毎日毎日聞いています!


Ryugo Ishida - キスはゲロの味 (Official Music Video)

初めて見たのがこのPV
「キスはゲロの味」で
今の若い人風の言葉で言うと完全に「食らった」。

よくあると言えばよくある
ワン・ナイト・ラブ・アフェア~の歌なんだけど
この「キスはゲロの味」というタイトルといい、
場末の遊び場のザラつき、
マイルドじゃないヤンキーの暮らし、
パリピでないタイプのパーティライフを物語る
諦めにも似た醒めた言葉。

それでも、この一夜、この刹那の快楽に
必要以上の魅力と期待を感じる気持ちを捨てられない心を
ウエットなフロウとトラックが奏でる
下品でロマンチックな曲だ。

このPVも素晴らしく、特に出演している金髪の女の子が素敵すぎる。
こんなにセクシーで、全然媚びてなくて、カッコいい子を
どこから発掘してきたんだろう、この子を出しただけで凄すぎる。
と思ってたんだけど
彼女はRyugoさんのガールフレンド、Sophieeさんというラッパーで
一緒に「ゆるふわギャング」というユニットもやっているのでした。


ゆるふわギャング "Dippin' Shake"
このPVと「キスはゲロの味」を比べると彼女の表現力の豊かさに驚かされる。

茨城県土浦市出身のRyugoさんが
東京のクラブでSophieeさんに出会った時
「Ryugo君のラップって『ゆるふわ』だよね」と
言われたというエピソードが好きで。

Ryugoさんの生い立ちに関するエピソードは
ネットのインタビューや動画で見られます。
小さい頃からかなりハードな環境で育ってきた、
(「13歳の時彼女がレイプされた」とか
 「友達が何人もお金に困って自殺した」とか…。)
ということがインタビューからも、曲からも分かるんだけど
彼の唄いぶりにはマッチョなところがあまり感じられないんですよね。
どちらかというと、辛さや悲しさ、
もどかしさややり切れなさを歌う人だと感じる。


INTERVIEW FILE:Ryugo Ishida


Ryugo Ishida "Fifteen"

辛い 部屋は暗い
一人の夜 ただ今は辛いからこんなところから逃げ出したい
(Ryugo Ishida "Fifteen")

今年は「高校生ラップ選手権」とか
「フリースタイルダンジョン」が流行って
お茶の間ではラップというのは威勢よく喧嘩をしあうことだ
というふうに捉えられているかもしれない。
そういう文化でもあると思うので間違いではないけれど
彼のラップにはそれとは違う魅力がある。

彼も他のラッパーと同じように
自分はラップで勝ち上がるんだ、というようなことを歌うけれど
俺はやるぜ、という強気な歌詞と同時に
日々の生活に絶望してしまう気持ちにも正直だ。

夢と現実、希望と絶望、強さと弱さのあいだを
ふわふわと行きつ戻りつ揺れ動くようなフロウは
虚勢を張るだけのラップよりも
友情・努力・勝利の成り上がり物語よりも
実は、タフで確かなものを感じさせる。


Ryugo Ishida "YRB"

社会不適合 バカにされる
でも夢はデカい 世界に挑んでいる
今は迷惑ばかりでゴメン 遊んでいるけどマジで遊んでるのさ
(Ryugo Ishida "YRB")

ナンパした女の子にゲロを吐かれたり
大きな夢を語った後、目が覚めたら便座の上だったり
寂れた街のあどけない顔のヤンチャな後輩たち、
そういう、どうしようもないもの、頼りないもの、
明日をも知れないもの、取るに足らないとされるものを
温かな眼差しで見つめ、切実さとユーモアたっぷりに伝える。
優れたラッパーは優れたストーリー・テラーでもあるんだな、
と思わされる。


きっと今夜もたくさんの人たちが
自らの思いのたけを伝えようと声を嗄らしていると思う。
彼ら彼女らの抱える状況の切実さを思うと胸が締め付けられるような気分になる。
そのことは、とても美しいことだけれど
「ゲロの味」と隣り合わせでもあると思う。
いや、「ゲロの味」だけれども
美しさと隣り合わせだと言うべきだろうか。


eif.theshop.jp
diskunion.net
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「身の丈」とはどれくらいの大きさか--起業支援ネット「aile」の最新号が出ました

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毎号書かせていただいている起業支援ネットさんの会報誌
aileを今回(2016年12月発行)も担当させていただきました。

今回は知多市で無農薬の野菜の生産と販売を行っている
竹内農園の竹内さん、
天白区でギター工房・音楽スタジオを今年オープンしたばかりの
Seeker.guitar creative factor.の鹿間さんを取材しました。

お二人とも若いながら「自分のやりたいこと」に
地に足のついたやり方で確実に、試行錯誤しながらも、
笑顔で一歩ずつ向かわれていました。

「身の丈」とはどれくらいの大きさか

起業支援ネットの「起業の学校」では
(竹内さんも鹿間さんもこの学校の卒業生)
「身の丈の起業」ということを言うのだけれど
この記事を書きながら
「はて『身の丈』とはどういう大きさなんだろう?
と、考えたのです。

例えば服を買う時に
ちょっと高い服だったり
「かわいいけどコレどこに着ていくのよ?」みたいな
派手な服だったりすると躊躇するんですよね。
自分には高級すぎるかな、とか、
まだ似合わないんじゃないかな、とか
大して稼いでもいないのに贅沢しちゃだめかな?とか。

そういうことが仕事や日常生活の中にもあって、
何か言いたいことややりたいことがあっても
「わたしが言ったら生意気かな?」とか
「その前にお前がやれよ、って話だから言わんとこ」とか
「実力もないのにこんなことやりたいって言ったら/
 やったらイタいかな?」
と、思って言わなかったりやらなかったりすることが
わたしの場合は多いんですよ。

でも、ふと思ったんですよ。

「身の丈に合ったことをやる」
「身の程を知る」
ということは、
「自分にできそうなことをそこそこに、何となくやる」
ということなのか?

いや、そんなことはないだろう、と。

 

竹内農園の竹内さんも、
ギター工房の鹿間さんもまだ開業してそんなに時間は
経っていないんだけど、
もうこの人たちにはこれしかないんだろうな、というか
まさにこれが竹内さん・鹿間さんにぴったりの仕事であり
スタイルなんだろうなあ、と「しっくりくる」ものがあった。

でも、竹内さんも鹿間さんも、最初からそれが
「できそうだからやった」っていうことではないはずだ。
最初からぴったりだった、似合っていた、自分のものになっていた
というわけではないはずだ。

 

自分の欲望、成し遂げたい何か、こうありたい姿
というものがあり、
それと「今の自分」とのあいだにある距離を見つめる。
「今の自分」からも「あいだにある距離」からも
「自分の欲望」からも目を背けないで、試行錯誤していく。
安易に距離をショートカットする方法に逃げるのでもなく
距離に絶望して欲望をあきらめるのでもなく
かといって熱い思いだけで突っ走るのでもなく

自分と自分の欲望に正直に歩み続けていく。
そういう行為が『身の丈』ではないかと、
今回の取材を通して感じました。

 

そういえばこの靴↓を買った時も
「自分なんかにはおしゃれすぎるんじゃないか」
なんて思っていたけれど、
履いてみたらカワイイし、軽くて快適だし、
何より履くと楽しくて楽しくて仕方がないので
買ってよかったと思った。
似合っていなかったとしても「似合っていない」という状況自体が今の自分だし、似合うように工夫していくことがおしゃれの楽しみなんだ。
わたしの楽しみを、誰からもとがめられる理由なんかない。もちろん、自分自身にも。

yoshimi-deluxe.hatenablog.com

■□■ Oshirasse ■□■

「aile」は名古屋市内・愛知県内の公共施設等の、
いろんな会報やパンフレットが置いてあるところで読めるほか
(ざっくりした説明…)、起業支援ネットさんの正会員/準会員になって、
キラリと光る志ある起業家さんの応援をしていただけると、三ヶ月に一回届きます。
この機会に、ぜひご入会くださいませませませませ。

入会は、こちらから

 

 

2017年のカレンダーはYoh Nagaoカレンダー

2016年は星の王子様カレンダーを使っておりました。

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かわいいんだけど、お話の順番に毎月
絵が変わっていくので、
11月、12月は王子様が蛇にかまれたり星になったり…。

年の瀬が近づくごとに切なくなってしまいました。
(そういうお話なので仕方ないけど)

 

と、いうわけで(?)
2017年は元気が出る感じのカレンダーにしました。

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Yoh Nagao2017カレンダーです。

 Yoh Nagaoさんは愛知県出身のコラージュ/ポップアーティストで
世界中のいろんなところでカラフルでパワフルなアートを作っています。
名古屋近辺の方は、少し前に中京競馬場の広告に使われていたのでお馴染みかも。

www.yohnagao.com

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Nagaoさんのヴィヴィッドで躍動感ある色づかい、
自然や動物をモチーフにしながらも
アーバンなムードを感じさせるところが好き。

ご本人の訴えたいこととは違うと思うけど*1
Nagaoさんの絵を見ると、
都会の風景、人間の生活、プラスチックやアスファルト・コンクリート…みたいなものの中から、こんなに生き生きとして鮮やかに見出せるものがあるんだな
と感じられるところに感動を覚えます。
その「見出されたもの」のエネルギーと、
Nagaoさんがモチーフにしている
自然・動物・原始の記憶…といったものが
不思議に符合しているような。

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http://www.yohnagao.com/art1/index.html この絵とか好き

 

 実はむかし働いていた会社で少しだけ
Nagaoさんと一緒だったことがあり。
わたしはNagaoさんがデザインチームに来られてからすぐ
会社を辞めてしまったので、ほんの短い期間なんだけど。
元同僚のワールドワイドな、かつ
これからさらに羽ばたいていきそうな活躍を見ていると
自分もとっても励まされますよね。

2017年はこのカレンダーを見て
いつかはNagaoさんのオリジナル作品を部屋に飾れるよう
毎日Make Moneyにいそしみます。


Yoh Nagaoカレンダーはこちら↓から買えます。
もっと高く売ればいいのに!

yohnagao.theshop.jp

*1:インタビューなどを読むと、Nagaoさんはダイレクトに「自然や動物を守ろう」と語っていることも

Contact Tokyoに行ってきました

もうひと月以上経ってしまったのですが
先月、東京~福島に行く用事があったので
その際に渋谷の新しいクラブ「Contact Tokyo」に行ってきました。
www.contacttokyo.com


ネットでちょっと検索してみたんだけど
Contactでやるイベントの宣伝ページばっかりで
レポートを書いてる人が見つからなかったので
これは俺が書かねばならん!!!と
わたしの中でジャーナリスト魂が燃え上がり
(一カ月経ってるけど)
書くことにしました。

いきなり行っても入れない

まず、Contact Tokyoはクラブなんですけど
いきなり行っても入れないようです。
なんと、まずインターネットで「会員登録」しないといけないんです。

このページから登録します。
www.contacttokyo.com

わたしはFacebookのアカウントからシングルサインオンで登録したんだけど
それでも相当めんどくさかったですね。
何と、顔写真まで登録させられるんですよーーー!!!
登録だけでもめんどいのに
なんで写真まで…。
わたしは自分の顔写真のデータを持っていなかったので
(みんなは自撮りした写真とかを登録しているんだろうか…
 それともプロフ用の写真を持っているのは常識なのか…)

ある取材の時にカメラマンさんが撮ってくれたインタビュー風景に
写りこんでいた写真を登録しました。

ちなみについでなので当日のチケットもネットで買いました。
「前売りを買って遊びに行く」というのは
20世紀から生きてるババア的にはクールでない、とずっと思ってたんだけど
金がないのでちょっとでも節約しようと、買いました。
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ちなみにチケットが買えるサイトは写真のClubberia意外にも
RA(resident adviser)とかありました。
発行手数料、アプリの使い勝手などを比べて好きな方を使われるとよいかと思います。

いよいよ行きました

そんな準備をしつつ、ホテルに荷物を置いた後
渋谷を歩いてContactまで行きます。
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なんの工事か知らないけどめっちゃ工事してた。
オリンピックだから??

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先月札幌に行った時も思ったんだけど
終電過ぎてもメチャクチャ町に人が多いな~と。
名古屋だと終電終わったら全然栄も名駅
人がいなくなっちゃうじゃないですか。(いなくなるんですよ!)
いたとしても、なんかガラの悪い感じの人ばっかになるように思うんだけど
東京とか札幌とか、だいぶ深い時間になっても
ふつうのサラリーマンとか学生みたいな人が
飲み歩いてて、道もすごく渋滞してるもんな~。
「名古屋の人はあまり酒を飲まない」と
他所から来た人に聞いたことがあるんだけど
本当にそうかも、と思った。


そんなことを思いながら、渋谷の大きい交差点から
道玄坂」っていう坂を上っていくと、まさに
道玄坂」という信号の近くにContactがあります。
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わかりにくいんですけど、このコインパーキングの中、
奥に入っていくとエントランスがあります。

※ちなみにここからは撮影禁止だったので
 写真がありません。

エントランスで「メンバー登録した画面を見せろ」と言われるので
メンバーページを開いて見てもらいます。
スマホを持っていない人は、どうするんだろう…)
登録した写真と顔を見比べられて恥ずかしいです。
さらに「免許証も見せて」と言われ
えー、登録もしたのに免許もいるの~と思いつつ
気が弱いので気にしないふりをして出しました。
置いてあったパソコンでなんかピッて登録されて
「次回からは免許は要らないんで」と言われた後、
さらに屈強そうな係の人にカバンの中を調べられ
厳重なセキュリティチェックを通過し、
階段を地下2階ぶんくらい降りていくと
やっとフロアへ入れます。

広くて清潔な遊び場

入ると右手にロッカー、そして50人くらいは座れそうな広さの
ラウンジというか、テーブルや椅子やソファのあるスペースがあり
いろんな人が飲んでいます。
ブルーっぽい照明でけっこう明るく、お客さんの
半分くらいは外国人の人に見えました。
この日はDJ SODEYAMA&Marcel FenglerというベルリンのDJが
メイン・アクトのテクノのパーティだったんだけど
ラウンジにいるお客さんは、誰がDJだからとかじゃなく
よくココに遊びに来てる人、って感じがしました。

ラウンジを過ぎるとロの字型になっているバー・カウンターがあり
その横にDJブースと、12畳くらいのスペースがありました。
最初はココだけがContactだと思っていたので
「えー、小っさー。なんか思ってたのと違くない?」と
驚いたのですが、やっぱ違ってました。


ココとは別に、ラウンジの逆側にダンスフロアがあり
メインアクトのDJはこっちでプレイしていたのです。
メインフロアは真っ暗で、装飾を排したストイックな雰囲気で*1
田舎の小学校の体育館くらいの広さと天井の高さでした。

ちなみにダンスフロアには、アルコールを持って入ることができません!
えー、マジで~、ちょっとくらいいいでしょ~、と思い
しれっとビールを持って入ろうとしたら
速攻でフロアの入口にいる係の人に止められました。
というわけで、酒を飲み終わるまでフロアには入れないし
のどが乾いたらバーまで行って飲んでから帰ってこないといけません。
(ソフトドリンクは可。だれも持ち込んでなかったけど…)

Marcel FenglerはベルリンのクラブBerghainでも
レジデントをつとめているそうですが
やはりのっけから堂々たる展開、
ミニマルな曲でも単調にならず胸が掻き立てられ
大げさに盛り上がる展開でも白々しくならない
熱いプレイでした。
翌日、福島に行かなければならなかったので3時半くらいで
退散しましたが、もうちょっと聞いていたかったですね。

ロッカーからバタバタとコートを取って帰ったので
階段を上がりながら「あっ、フライヤーをもらってくればよかったな」と
軽く後悔していたら、
エントランスで近日開催されるパーティのフライヤーがごそっと詰め合わされた
ビニール袋を帰る人に手渡していた。
なんという、至れり尽くせりのおもてなし…。

広くてきれいだし(場内のほとんどが禁煙です)
DJも良くて面白かったけど
やっぱり、なんとなく「管理されてる」感…。
これが風営法改正後の遊び場かあ~
という気もしました。
そりゃー事前に会員登録までしていれば、そうそう
変な人は…来ない…と…思う…けど…
どんな人が来ているか分かれば安心なのかもしれないけど
「どんな人が来ているか分からないから面白い」という
場でもあるとわたしは思っていたから、
安全安心で清く正しい場所になってしまったら
安全安心で清く正しい人しか来れなくなっちゃうんじゃないのー
というのもさびしい気がする。

別に犯罪行為を助長したいとか
ちょっとくらい多めに見ろとか言うつもりはないけど

普段の生活では会えないような人と会えるのが
面白い場所でもあると思うので
インターネットを使って会員登録できるリテラシーがあり
スマートフォンを持っていて
もちろん写真入りのIDも持っている
という人しか来られないというのも、どうなのよ
という気はするのよね。
そういう人しか来れないのは、
居心地がいいという側面もあるけど
思いがけない出会いや発見の機会を多くの人から奪っているとも思うのよ。

でも、こういう大きなクラブばかりじゃないから
そのへんは棲み分けられていくんだろうな、と思います。
小さいクラブもしたたかに続いて
いろんな階層の人が出会えて、一緒に遊べるパーティが
これからもなくなりませんように。

ちなみに今をときめくBAD HOPは入場無料、
夜8時から(未成年も入れる!)のライブを大阪と川崎でやったらしい。
やるなー。見ているところが違うなー。

*1:この日はそうでした。別の日は飾り付けるのかも

新生「プレシャスホール」に行ってきました

11月の始めに北海道を旅行してきました。
わたしは他にこれといった趣味がないので
旅行に行っても観光よりも現地のクラブに行って
夜遊びをするのが楽しみだったりします。

今回も札幌にある、ハウスの聖地と名高い
老舗のクラブ「プレシャスホール」が
移転リニューアルオープンしたとのことで
ほぼそのためだけに北海道まで行ってきました。

www.precioushall.com

札幌駅・すすきのからもアクセス抜群

以前(7年くらい前かな?)に来たときは
もっと町外れの方にあった気がするのですが
新しいプレシャスホールは札幌駅からもすすきのからも近い
札幌パルコのすぐ向かいの「パレードビル」という
おっしゃれな建物の地下にありました。

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旗がかっこいい
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こんな感じでビルの階段を下っていくと
エントランスがあります。
プレシャスの中は撮影禁止なので、ここからは
写真がありません。

エントランスからつながる廊下には
ロッカーや椅子が置いてあるんだけど
これは昔あった場所からそのまま持ってきたものだな~と分かって
なんか泣けました。

案内された通りに廊下を抜けていくと
正面に一人掛けの柔らかいソファだけで40脚くらいある、
広いラウンジがありました。
この日は無音だったけど、Klipshというとてもよいスピーカーを
カスタムしたスピーカー(と思われる)が何本か置いてあり
ここだけでもパーティができそうでした。
照明も手づくりの温もりを感じさせつつ、
凝ったデザインで配置されていておしゃれでした。

ラウンジを通り抜けるとバーカウンター&バースペース
そしてその奥にダンスフロア!
ラウンジの照明があったかいのに対して
フロアは真っ暗、シャープな雰囲気でいい感じ!
行った初日はテクノ、二日目はハウスと、バンドのライブが入ってました。

フロアの広さは名古屋で言うとJB'Sのフロアと同じか、少し広いくらいかな?
と思うけど、天井が高いのでもっと広く思える。
音響のことはあまりわからないんだけど、天井が高いせいか
音がこもらずクリアに聞こえて、かつ、
大きい音だけどうるさくなく、会話がしやすい感じでした。

お酒の出ないクラブ

プレシャスホールのサイト(11/24現在)にもあるように
私達が行った時も、いまもプレシャスでは24時以降はお酒を出せないそうです。

いわゆる改正風俗営業法の営業許可(特定遊興飲食店営業)をとるのに
「申請してから2~3カ月はかかる」(お店の人談)とのことで
許可を待たずに営業しているので
酒類の提供は24時まで、日付が変わってからはソフトドリンクのみでした。

長い間、ご心配、ご迷惑をお掛けしておりますが、
いよいよ、10月12日 水曜日の平日に
PRE OPEN PARTY を行います。

諸届の遅れのため、
今は深夜(24時~朝6時)に
酒類を販売することができません。
(Coffee・Soft Drinkはもちろんあります。)

音楽のみのパーティーを、
これから数回続けて
GRAND OPENへ向かっていきます。

今現在は、おおよそ完成には程遠く、
何度かのCONSTRUCTION PARTYを経て、
皆さんに納得して頂けるよう、
努力していきます。

準備期間がほぼ無く、
印刷物の制作まで行き着かず、
ホームページ上のみの告知になりましたことを、
深くお詫び申し上げます。

GRAND OPENの際は、追って連絡させて頂きます。

尚、誠に勝手ではありますが、PRE OPENのため、お花・お酒などのお祝いは辞退させて頂きます。

夢はまだ続いていきます。
PRECIOUS HALL
(プレシャスホールのサイトより http://www.precioushall.com/schedule/

行く前は「お酒無しで営業するクラブ」というのが信じられず
「またまた~、建前上そう言ってるだけで
 実際はコッソリお酒出しているんじゃないの~?」
なんて思っていたんですが(ごめんなさい)

本当に出していませんでした。

お酒を出さないということは、お店としては売上にならないので
経営的にも辛いと思うんです。
こんないいロケーションだし…。
それでも、プレシャスホールをプレでもオープンする、
ということは
プレシャスホールがいかに札幌の人に求められているかということであり
プレシャスホールがいかにその灯を絶やしてはならない、と信じているか
ということなんだなと感じた。

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プレシャスホールのマンスリースケジュールを見たら
それぞれの日のパーティの内容とは別に
毎日の日付の上に、この日はジョセリン・ブラウンの誕生日だとか
ラリー・レヴァンの命日だとか
書いてあるんだけど、それと一緒に
ユウジさんの誕生日とかミカリンの誕生日とか
プレシャスによく来るお客さん(と思われる)人の誕生日が書いてあるんですよ。
コミュニティがあるってこういうことなんだなーと思った。


わたしはクラブが好きでダンスが好きで
パーティは人と人とをつなげるとか
音楽は希望や力をくれるとか
クラブ・カルチャーは暗闇から社会を照らすようなパワーがあるとか
強く強く思っているけれど
今まで、クラブで会う人とも、クラブには行かない友達にも
そういうことをきちんと話したことがなかった。
何だか恥ずかしいし、うまく言葉にできないし
否定されたら悲しいし
ということで、話せなかった。

でも、それは自分が
クラブカルチャーを見くびっていたということに
他ならないのではないかなと思った。
お酒が出せなくても、許可になぜか時間がかかっても
それでもパーティを続ける、という強い意志に支えられた行動にふれて
そう思った。
お酒があればもっと違う楽しみがあったかもしれないけれど
なくても十分楽しかった。


自由にダンスするように、
もっと自分の気持ちを正直に表現していけばいいんだと思った。
自分の愛するものを、自信をもって素直に愛していけばいいんだと思った。
LOVE SAVES THE DAYだ。


(余談)  
あまり誰にも知らせず「この日は仕事が空いている」という
理由だけでフラッと札幌に行ったんだけど
Preciousに入って最初に会った人が
名古屋にもたまに遊びにきてくださる
浜松のDJのSidさん、山梨Jujuのそのこさんとテラダさんでした。。
Music Brings us together!

David Mancuso Pres. the Loft

David Mancuso Pres. the Loft

Live at the Paradise Garage

Live at the Paradise Garage

Somebody Else's Guy

Somebody Else's Guy

学習支援が必要なのは誰か

「学習支援」というと、
家が貧しくて本が買えなかったり
家族で旅行や外食に出かけたり
あるいは習い事や学習塾に行けなかったりという理由で
授業についていけなくなりがちな状況で
育った子どもをサポートすること
と言われており、最近ではこの取組みに
自治体が予算をつけるようにもなっています。

経済的に貧しい状態で育った子にも
勉強して知識をつけ、色々な文化に触れ
進学/就職できるようにすることを通して
貧困の連鎖を止めようという狙いがあります。


でも、本当に貧困の連鎖を止めようと思うなら
「学習支援」が必要なのは
経済的に豊かで、学歴が高い人たちなのではないか。
と、アメリカの大統領選挙の結果を見て思った。

・自分とは全く違う境遇で生きている人
・自分達が当たり前だと思っている価値
(経済的な合理性とか)とは全く違う価値観を持っている人
・がんばっても報われないとはどういうことか
・そもそもがんばるチャンスも方法も持っていないとはどういうことか
・なぜ暴力や犯罪に手を出さざるを得ないのか

などについて
高学歴で心優しく、家や車を持ち
温かい食事と流行の衣類を買うことができ
リベラルで、知的でクリエイティブな仕事をしている人こそ
学ぶべきであり、
こうした人たちがこうしたことを学ぶための「学習支援」を
仕掛けていくことこそ
真に「貧困の連鎖」を止めることになるのではないだろうかと思った。

それは、ただ単に「もっと人権や民主主義について学ばなければいけない」とか
「弱い人の立場について学ぶべき」ということではない。

人権や民主主義に理解があり、自分は弱者の立場も分かっている
と思っている自分自身について「本当にそうか?」と
もう一度問うべきではないかと思うのだ。

「弱者が不満のはけ口を求めてさらにマイノリティを叩く」とは
よく聞く話なんだけど、果たしてそれは本当に「弱者どうしのたたき合い」なのか?
と思う。

ちなみに以前にはこんな記事を書いていました。↓
yoshimi-deluxe.hatenablog.com

リベラルだと思っている政党やそこに投票している人たちも、
「あの人はええ人やで」とか「外国にナメられない毅然とした日本を取り戻すのだ」って言っている人たちを、
田舎ものだとか、個人としての意見がないとか、ネット右翼だとか言って軽蔑するのではなく
そういう発言の奥にある、不安や弱さや、社会の役に立ちたいと思う心に
本当に寄り添えているのか考えないといけないと思った。
自分は、自分の信じる「正義」のために、弱い立場に居ざるを得ない人たちを、ますます立つ瀬がないところに追いやっていたのではないかと不安になった。

自分や誰かの「正しさ」が他の誰かを傷つけているのではないか?
わたしはそういうことを考えて書いていきたい。


森高千里 『勉強の歌』 (PV)


子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)

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弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂 (講談社現代新書)

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森高千里 ベスト & ベスト PBB-23

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