うそは書きたくないが、正しいことも書きたくない
ニュースやSNSを見ていると、この世は地獄だと思うことばかりなので、よし、そんな中にあっても私は負けないぞ、私は正しいことを書いていくのだ、と決意した。
が、思ったそばから、この地獄の元凶って「俺は正しいぞ(お前らは間違っているぞ、無知だぞ)」どうしの戦いではないか、とはたと気づいた。
共謀罪も嫌、安倍政権も嫌、戦争もイヤ。長時間労働もイヤ、貧乏もイヤ。でも清く正しく美しいだけのリベラルもソーシャル界隈もうんざり。楽しくなきゃイヤ、おしゃれじゃなきゃイヤ、面白くなきゃイヤ。でも楽しくておしゃれで面白いだけでも何だか物足りない。これってポリティカル・コレクトネスっていうやつ?ポリコレも窮屈、でもポリコレ批判も下品で好きじゃない。
こんなことばっかり考えていると、俺は何だ、何者だ、何を書きゃいいの、と、気が付きゃ自分に問いかける羽目に。
その結果、正しいことではなく「正しいかどうかわからない」という揺らぎ、決められないもどかしさ、ぐずぐずと悩み続けること、ためらい、言い淀み、つまずき、などといった今の状態を隠さず書いていくしかないのではないかという考えに至った。
「こういう考えもあるよね」「どっちもどっち」と言ったあたかも中立で両論を併記しておりますよというポーズの逃げだけでもなく、かといって声高に自らの正しさ、間違ってなさだけを押し付けるのでもなく。安易な決断主義でもなく、かといって現時点での自分の考えの発信を先延ばしにし続けるのでもなく。
日々移り変わり、更新される思考の動きを書き続けていく、とにかく毎日書き続けるしかないのかなと思った。
「正しいこと」を言う人は変節するが、ぼやき、戸惑う人はきっといつまでもぼやきつづけ、戸惑いつづける。
— 保坂和志bot (@k_hosaka_bot) 2017年6月3日
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